中国でネズミから人に移るハンタウイルス感染が確認された人物1人が死亡したことで、新型コロナウイルス(COVID-19)流行が発生した同じ国で新たなウイルス流行が懸念を呼んだ。
引用:トルコ・ラジオ・テレビ協会オフィシャルサイト
中国ってどれだけの感染のリスクを有している国なんでしょうね。一応ヒトヒト感染はない感染症なので、流行の危険性はないとのことですが、新型コロナ感染も当初は”ない”って言っていたような記憶があります。1996 年9 月に南部アルゼンチンで発症したケースではヒトヒト感染が疑われる事象がありました。その住民と訪問者の18 例、患者と関わったが当地を訪れていない2 例の感染が確認されました。ハンタウイルスの感染は、ネズミまたはネズミの尿、その吐いた物や便に触れることで感染します。その時の感染者の中にはネズミとの接触が考えられず、患者と関わったケースでヒトからヒトへの感染が起こったとしか考えられない例がありました。その後ウイルス感染は広がらずに、終息し再発生は起こっていません。次々と症例が起きなければ安心なんですが、二人三人と発症するとなるとヒトヒト感染の可能性は否定できないですよね。新型コロナ感染で世界中が苦労しているときに新たな感染症は本当に勘弁してほしいです。
ハンタウイルスは感染すると「ハンタウイルス肺症候群」という病気を起こし、死亡率は50%と言われています。治療薬は「リバビリン」が効果があるといわれています。リバビリンは抗ウイルス薬です。日本では主にC型肝炎の治療薬として用いられています。かつては決して治ることがないと言われたC型肝炎がこの薬剤により根治が目指せる疾患となったのはもう20年くらい前になります。日本の健康保険で承認されている疾患はC型肝炎ですが、国外においてはラッサ熱、クリミア・コンゴ熱、ベネズエラ出血熱といったウイルス性出血熱の治療薬として知られ、ハンタウイルス感染症もこのウイルス出血熱の一種です。
リバビリンの副作用には、血球減少(貧血、血小板減少など)・間質性肺炎・うつ病・心不全・糖尿病・腎不全などが有名です。したがってうつ病の患者や腎不全患者、心不全の患者などは禁忌として投与が推奨されていません。
新型コロナウイルスよりも治療薬も治療経験もあるので、まだマシかもしれませんが、なんといっても死亡率が50%というのは脅威です。現時点では広がりは認めていませんし、新型コロナウイルスのために渡航制限、入国制限がかけられているためハンタウイルスの拡大の心配はないとは思います。ただ情報収集はしておいて方がよさそうですね。
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