アドエアの副作用って、子供は大丈夫?気を付けることは?

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アドエアは小児喘息患者にも適応を持っています。適応を取得したのは2009年です。もうかなり立ちます。それだけ長い間使用されていますので、安全性については十分に検討がなされており、使用にあたっては必要とあれば躊躇する必要はありません。しかしながら、わが子のこととなるとやっぱり心配ですよね。そんなご両親のために、アドエアの子供の副作用について説明し致します。

1.アドエアの副作用は?

副作用には、口腔・呼吸器カンジダ症、嗄声(声のかすれ)、口腔・咽喉刺激感(異和感、痛み、不快感)、感染症、筋痙攣、肺炎などの記載が添付文書にはあります。ただ成人・小児の報告が混在しています。

2.アドエアの小児の副作用は?

アドエアのインタービューフォームには小児の国内臨床試験のデータが記載されています。小児気管支喘息患者51例にアドエア50エアゾール1回1吸入1日2回を4週間と延長投与期間20週間投与したところ、肝機能検査異常が1例認められました。アドエア50エアゾール1回2吸入1日2回を24週間投与したところ振戦(手などの震え)が1例認められました。

3.アドエアは子供の成長に影響はないの?

アドエアの吸入薬にはステロイドが含まれています。ステロイドを高用量で長期間投与すると子供の成長に影響が出ることは知られています。吸入薬でも同様の影響が出るのでは?とご心配になられる方は多いと思います。この質問に対しては、すでに日本小児アレルギー学会の「小児気管支喘息治療・管理ガイドライン」で回答が記載されています。ガイドラインでは「ICSの長期使用は成長抑制と関連する可能性がある。」としており、必要最低限の適切な使用を推奨しています。

4.アドエアの成長抑制ってどれくらい影響があるの?

小児におけるICSの成長抑制については、多くの試験が行われました。その多くの試験の中で信頼性できる25試験を抽出して、合わせて評価しなおしたところ、ICSを1年使用すると0.48cm/年の成長抑制が認められました。25試験のうち一つの試験では成人期までフォローしており、その試験では1.2㎝の成長抑制が認められました。1.2㎝をどの程度重視するかについては、個々人の価値観があると思いますので、軽率なことは言いません。ただ喘息発作を繰り返す子供の苦しみとの比較は大切です。また気管支喘息は命にかかわることもある疾患です。成長抑制のみを気にして必要な治療をおろそかにすることは決してお勧めできません。

5.アドエアの副作用で気にしたほうが良いこと

まずは、感染予防のためのうがいです。特に吸入後のうがいは口腔カンジダを予防するためには必須です。うがいが難しい時には口を漱いで飲んでしまっても良いでしょう。成長抑制が気になるのであれば余計に定期的な吸入を勝手にやめてはいけません。なぜなら発作時に使用するステロイドの用量の方が多いからです。吸入を止めたがために余計にステロイドが投与されては本末転倒でしょう。

小児喘息は半分以上が自然寛解を得ます。自然寛解を得るまでの限られた期間を発作のない安定した生活を送るためには必要なアドエアを勝手に中断しないよう気を付けていただきたい。継続・中断は必ず主治医とよく相談をしてください。

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