ヘビースモーカーの合併症の一つとして挙げられる肺気腫、慢性閉塞性肺疾患(COPD)。
疾患の肝は、呼吸機能の低下が挙げられます。
COPDは呼吸機能の中の特に吐く力が著明に低下します。
こんにちは。
企業勤めの内科医ヒロスケです。
今回は「慢性閉塞性肺疾患と肺年齢」についてです。
以前「ウッチャンナンチャン」の内村光良さん(55)が14年、ネット番組「内村さまぁ~ず」の企画で人間ドックを受け、肺年齢検査の結果、95歳と判定されていました。
内村さんはヘビースモーカーです。
喫煙と肺年齢は関係があります。
もしかしたらあなたも人間ドックなどで肺年齢を計算された経験がある方もいるかもしれませんね。
肺年齢とは何をもとに計算しているのでしょう?
肺年齢とは?
肺年齢とは、実年齢との乖離から呼吸機能の異常を早い段階で認識してもらう概念です。同性・同世代と比較して自分の呼吸機能がどの程度であるかを確認できます。 呼吸機能(一秒量)は、20歳前後をピークに加齢とともに低下します。肺年齢を知ることで肺の健康意識を高め、健康維持や禁煙指導、呼吸器疾患の早期発見・早期治療に活用いただけます。
引用:肺年齢.net
呼吸機能検査を受けられたことのある方はいらっしゃると思います。
呼吸機能検査は二種類あり、一つはゆっくりと大きく吸って、ゆっくりと大きく吐く肺活量(吸う力)を測定する検査。
もう一つは大きく吸って、力いっぱい吐き出す1秒量(吐く力)を測定する検査です。
肺年齢はこの吐く力をもとに計算されているため、吐く力を鍛えることができれば若返ることは可能です。
吐く力をきたえるには?
「吐く力」はどうすれば鍛えることができるのでしょうか?
上述したように吐く力が極端に減少している疾患として有名なのは「肺気腫」です。
長期にわたる喫煙が元で肺の弾力が失われた結果生じます。
肺気腫の特徴として肺活量は落ちず、一秒量が落ちているのが特徴です。
私は患者さんにこのような状況を伸び切った風船と例えます。
膨らむことはできるが、縮むことができない肺です。
吸うことはできると吐くことができない疾患です。
人は苦しくなると吸うことに集中します。
しかし吐かなければ吸う余地がないため、肺気腫の患者さんの呼吸困難感の緩和のためには吐く力鍛えます。
吐く力を鍛えるためにすることとして、有効な手段としては腹式呼吸を行うことです。
腹筋の強化です。歌手や吹奏楽器奏者は吐く力が要求されるため、腹式呼吸の鍛錬を行っています。
同様の努力を行うことで吐く力が回復し、肺年齢は若返ることが期待できます。
カラオケや歌うのが苦手な人には?
内村さんは歌手ではありません。
吹奏楽器を使うというのも聞いたことはありません。
しかし内村さんの最近の活動の中で肺年齢が改善しているのでは?と思わせる活動があります。
それはイッテQ遠泳部です。
水泳の呼吸は吸う力も吐く力も同時に鍛えられる非常に効率のよい運動です。
すでに内村さんは遠泳を通してかなり呼吸機能は改善しているのではないでしょうか?
もう一度検査をしたら、少なくとも肺年齢95歳なんてことはないはずです。
人間ドックも最低限の検査であれば自宅での検査が可能な時代です。
コロナ禍で健診受診が出来ていない方は「おうちでドック」のご利用をお勧めいたします。
今回は「おうちでドック」についてです。
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