多血症の治療方法って?治るの?時間はかかる?

多血症

多血症と診断された患者さんが治療を目的に私の外来を受診されることがあります。ほとんどの患者さんは人間ドックや会社の健康診断で指摘されて受診されています。多血症の治療法はどのようなものなのか説明いたします。どれくらいの時間をかければ治るのでしょうか?そもそも治る疾患なのでしょうか?

1.多血症の治療方法

多血症の治療方法はその原因によって異なります。原因については下記関連記事に記載していますので、ご確認ください。

①真性多血症

真性多血症の原因は、赤血球の元となる幹細胞の遺伝子の異常によって発症します。この遺伝子異常によって治療方針が変わります。遺伝子異常で有名なものにJAK2遺伝子異常があります。この遺伝子異常を認めたときには、JAK2遺伝子を選択的に抑制する薬剤があります。しかし全ての患者さんにJAK2遺伝子異常を認めるわけではありません。JAK2遺伝子を認めない患者さんには、抗がん剤が投与されることになります。ただし抗がん剤が利用できるのは、60歳以上の高齢者と血栓による合併症を生じたことのある患者さんに限られます。JAK2遺伝子異常もなく、60歳未満で血栓による合併症の既往のない患者さんには瀉血が行われます。瀉血とは血を取って捨てる作業です。瀉血によって血が濃くなるのを予防し、そして鉄欠乏性貧血の状態を作るようにします。また多血症は血がドロドロになる病気ですから、同時に抗血小板薬の投与を行います。

②二次性多血症

二次性多血症の場合には、多血症を起こした原因の治療が優先です。喫煙であれば禁煙、COPDや心不全などによる低酸素血症が原因であれば、在宅酸素療法の適応となります。また多血症の診断に伴い癌が発見される患者さんもいますので、癌治療も重要です。二次性多血症に抗血小板薬が必要か?と言われると、これも原因次第と答えます。少なくとも喫煙が原因で多血症になっているのであれば、禁煙をするのが重要であり、臭いものに蓋をするような対処はお勧めできません。またどんな薬にも副作用がありますので、禁煙で治る疾患に薬を投与するのは慎重にならざるを得ません。

③ストレス多血症

ストレス多血症は、見た目に多血になっているだけで、体内は問題がありません。得に治療を必要とする疾患ではありません。

2.多血症の治療期間は?

真性多血症は遺伝子異常が原因であることが大半であるため、基本的には治療は一生続きます。また真性多血症の患者さんの一部は白血病になる可能性が高いと言われているため、定期的な外来でのフォローが必要になります。そういった点でも病院との関係は一生続くと考えていただいたほうが良いでしょう。二次性多血症は、原因次第です。禁煙で速やかに改善した患者さん、ダイエットによって肥満が解消され、多血症も速やかに改善した患者さんも経験しています。二次性多血症は患者さん次第ともいいかえれます。

真性多血症の原因である遺伝子異常の検査は近年すさまじいスピードで発展しています。この分野のトレンドについていくだけでも、医師は時間と努力を必要とします。今あなたが受けている治療以外に何かないのか?などの疑問が生じたら、大学病院などのセカンドオピニオンを主治医に相談しても良いかもしれません。

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