中華人民共和国の国旗は赤が基調、日本共産党の機関紙は赤旗、ソビエト連邦の旗も赤でしたね。いったい共産主義における赤ってどういった意味があるのでしょうか?共産主義のシンボルとして「赤い星」があります。そこから共産主義は赤を使用していると言ったらそこまでなんですが、もう一歩踏み込んでみようと思います。
1.赤旗の起源は?
起源はフランス王国において海岸例を発令するときに表示される赤旗からです。なぜ戒厳令の色が使用されたかというと、フランス革命において革命派を弾圧した国王軍に抗議する意味で戒厳令旗である旗を採用しました。これ以降、革命を示す色として「赤旗」が使用されるようになります。
2.革命から共産主義への変遷
フランス革命は王族に対する労働者による革命です。そのためフランス革命以降は革命思想を表すのに赤色を使うようになります。共産は「公共が産業を行う」という意味です。個人が必要以上の土地を私有することを禁じ、すべての生産物は公共のものとしなければなりません。基本的思想は万人が平等である社会を目指しています。すなわち国王や貴族が富を独占していた仕組みを根底からひっくり返す革命活動であったということです。
3.国旗に赤を基調としている国は共産国家?
赤色が共産主義のシンボルであることは分かりましたが、では赤色の国旗を採用している国が共産国家かと言えば決してそんなことはありません。日本の国旗も赤い日の丸ですからね!!
4.共産主義がメジャーになれない理由
東ヨーロッパ諸国の民主化やソビエト連邦の崩壊など大半の社会主義・共産主義国家は崩壊します。私は中学生でした。ベルリンの壁の崩壊やルーマニアのチャウシェスク大統領の公開銃殺など、時代が大きく動いていることを実感しました。共産主義の理想はと尊いものだとは思います。すべての人の生産力が同じであれば、共産主義は崩壊しないでしょう。同じだけ働き、同じだけ給料をもらう。ある意味究極の性善説で成り立っています。しかしながら怠ける人が出てきます。どうせどんなに働いても給料は同じです。そういった人が一人でも出てきたらみんな働きません。そうなると国全体の生産力が落ちます。結局国民全体が貧困化します。そんな国の隣では頑張れば頑張った部分だけ給料がもらえる資本主義国家があります。当然国家間の貧富の差が広がり、国民の不満が爆発する原因になります。
5.共産主義の矛盾
国民が貧困化しても政権中央にいる人は贅沢をしています。共産主義を唱える人は清貧を守ればまだ維持できたかもしれませんが、結局贅沢をしてしまいます。当然国民の不満は募ります。募った不満を管理するため、国民をさらに抑圧します。さらに不満が募ります。現在の中国も同じような状況です。政権中央にいる人がすべからく清く正しい人でない限り共産主義は保てません。どうしてもそこに矛盾が生じます。
東ヨーロッパの共産主義国家の崩壊を題材にした小説では、「プラハの春」「ベルリンの秋」が秀逸だと思います。興味のある方は是非読んでみてください。基本は外交官のラブストーリーですので、肩ひじ張らずに読めると思います。
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