こんにちは。
企業勤めの内科医ヒロスケです。
転職をして2か月が経過しました。
忙しい時と忙しくない時の差が激しく
時間に追われない時にはE-Learningをさばく日々を送っております。
せっかくなんで、ちょっと時間があるこの機にGCP(Good Clinical Practice)のおさらいをしてます。
今日は「治験審査委員会の構成とその要件」です。
治験審査委員会とは?
自分
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治験審査委員会(IRB: Institutional Review Board)は、実施医療機関の長が自施設内において治験を行うために設置を義務付けられた委員会であり、治験が倫理的かつ科学的に適切に行われることを確認するための独立した委員会です。
IRBは医療機関や製薬企業から独立した委員会でなければならず、主な役割は、被験者の人権と安全を守ることです。
ガイダンスには以下のように記載されています。
治験審査委員会は、治験について倫理的、科学的及び医学的、薬学的観点から審査及び評価するのに必要な資格及び経験を、委員会全体として保持できる適切な数の委員会により構成する。
治験委員会の構成とその要件は?
一般的には、①医学・薬学等の専門家、②倫理学、法律学の専門家、③一般の立場を代表するもの(非専門家)で構成されています。
少なくとも5名の委員からなる必要があり、1名は医学、歯学、薬学等の自然科学以外の領域に属している必要があります。
当然のことながら治験からは独立した委員会であるため、施設の長及び治験実施を担当する医師が委員会に参加することができません。
委員会の構成要件には以下のような記載が含まれます。
- 委員のうち、実施医療機関と利害関係を有しない者が加えられていること
- 委員のうち、治験審査委員会の設置者と利害関係を有しないもの者が加えられていること
また男女のバランスについてもガイダンスにおいては記載されています。
治験審査委員会のメンバーを自施設内で揃えない時は?
病院の規模によっては治験審査委員会を揃えることが困難な場合があります。
例えば小規模のクリニックに治験を依頼するときなどですね。
こういった時には外部に設置することが可能です。
以下がGCP省令に記載されている内容です。
- 他の医療機関と共同で設置する。
- 民法に従い設立された法人が設置する。
- 特定非営利活動促進法に規定する活動法人が設置する。
- 医療関係者により構成された学術団体が設置する
以上の団体が設置した治験審査委員会を審議を依頼することは許容されています。
治験審査委員会の会議
治験依頼者(製薬企業等)と密接な関係を有する者は審議、採決に参加することができません。
また、実施医療機関の長、治験責任医師、治験協力者も審議、採決に参加できません。
当然ですが、審議に参加していない委員も採決には参加できません。
会議では治験を行うことの適否が検討されます。
一旦治験を行うことに同意を得たのちも、少なくとも治験の期間が1年を超えるごとに継続審査が行われ、当該治験実施医療機関において治験が適切に行われているかどうか確認を受けることになります。
治験審査委員会の審査対象
治験審査委員会は、その責務を遂行するために最新の文書を確認します。
まずは治験を実施することの適否を検討する上で必要な文書は以下のもの
- 治験実施計画書
- 治験薬概要書及び治験使用薬に係る科学的知見を記載した文書
- 症例報告書の見本
- 説明文書(同意文書)
- 治験責任医師の履歴書及び治験分担医師のリスト
- 治験の費用の負担について説明した文書
- 被験者の健康被害の補償について説明した文書
継続の適否を検討するために、実施医療機関の長は副作用情報を入手した時、説明文書が改訂された時、その他医療機関の長が必要と感じた時には、IRBの意見を確認する必要があります。
本当にざっくりとGCPガイダンスを確認した情報を記載しましたが、IRBの構成、要件については各施設ごとに細かい手順書があり、その手順書を開示することもGCPでは明記されています。
改めてガイダンスの細かい記載に目を通すと忘れていた内容も見つけることができました。
引き続きこの時間を有効に利用していきたいと思います。
参考:
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