こんにちは。
企業勤めの内科医ヒロスケです。
いよいよ本格的になってきました花粉症
本当に嫌な季節です
私も花粉症持ちなので、患者さんにも自然と優しくなります
私自身が内服している薬は
- エバスチン10mg
- モンテルカスト10mg
を、1日1回眠前に内服しています
何故2種類必要か?
それは、エバスチンの抗ヒスタミン作用によって鼻汁をコントロールし
モンテルカストの抗ロイコトリエン拮抗作用により鼻粘膜の主張(鼻づまり)を緩和するから
実際にモンテルカストがアレルギー性鼻炎に適応症と取得した年から内服していますが
鼻詰まりが緩和されることで、安眠を得られるようになりました
花粉症の鼻詰まりは睡眠の邪魔以外何物でもないですよね
ただ、以前より抗ロイコトリエン拮抗剤には不眠と不安症の副作用の報告があります
実際どうなんでしょう?
モンテルカストは不眠・不安のリスクを高める?
2022年5月のJAMA(Journal of American Medical Association)に報告がありましたね
英国Oxford大学Warneford病院の追跡調査の結果、ロイコトリエン拮抗剤を内服開始1年後の不安障害、不眠症の発症リスクは、内服していない患者と比較して高かったと結論付けています
FDA(米国食品医薬品局)では、アレルギー性鼻炎に対するモンテルカストの使用を減らすように勧告しています
ただね、アレルギー性鼻炎患者のそのオッズ比は、1.07(1.01-1.14)*なんですよね
*モンテルカストを内服していない人が不眠症、不安障害になる確率を1.0とすると、モンテルカストを内服している人が不眠症、不安障害になる確率が1.07になる
このオッズ比をどう評価するのか?
臨床医でも悩むのでは?
まぁ、既往歴や合併症で不眠、不安障害がある人はやめておこうか・・・、といったところでしょうか
ちなみにこのレポートは成人を対象にした臨床研究です
小児にはロイコトリエン拮抗剤って大丈夫?
2025年1月に再度JAMA Pediatricsで報告されています
スウェーデンKarolinska instituteのグループからの報告です
本研究結果からは、モンテルカスト内服による不眠、不安障害のリスク上昇は否定されています
本研究は7万4291人のスウェーデン在住の小児患者を対象にしているので、なかなか信頼性はあると思います
私はどうするか?
で、私はどうするのか?ですが、花粉症シーズンの内服は継続します
もともと通年性のアレルギー性鼻炎はあるのですが、花粉症シーズンを外せば抗ヒスタミン薬だけでもコントロールはできるんです
ただ2月~5月、9月~10月の花粉症シーズンに関しては鼻詰まりがひどくて、頭はボーっとするし、夜は眠れないし・・・
で、パフォーマンス下がりまくり
モンテルカストで、不眠症?
飲まないと鼻詰まりで眠れないじゃ~!!
って感じです。
紹介したレポートは1年間以上のの継続内服でのリスク評価ですので、シーズン限定での内服にはそれほどリスクはないのかな、と個人的には評価しております。
以上、花粉症でお悩みの方のお役に立てば幸いです。
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