山梨大病院で新型コロナウイルスの髄膜炎!?治療は?診断は?

新型コロナウイルス肺炎

 新型コロナウイルス感染が確認されて山梨大付属病院(山梨県中央市)に入院している20代男性会社員がウイルス性髄膜炎で重症となっていることが7日、分かった。新型コロナによる髄膜炎が確認されたのは国内で初めてで、世界的にも珍しい。

引用:産経新聞

ウイルス性髄膜炎は、無菌性髄膜炎とも言います。髄膜炎や脳炎は肺炎などの感染症と決定的に異なる点は薬が到達しにくいという点です。脊髄や脳は中枢神経系とひとくくりにして呼びます。中枢神経系は血液脳関門(以下BBB:Brain Blood Barrierと略します。)によって守られています。これは生物が生きていくうえで脳は重要な臓器であり、生活の中で受ける影響に左右されない環境を整えることが目的です。この影響への対処は薬に関しての同様です。通常の薬は中枢神経には到達しません。到達させるには特殊な構造を持つ化合物であったり、通常の数倍量を投与して初めて中枢神経系に届かせることが可能になります。細菌性髄膜炎が発症した時には、比較的中枢神経系への移行が可能と言われている抗生剤を普段よりも頻回に投与することで治療を行います。

ご存じのように新型コロナウイルスには、現状確固とした治療方法はありません。シクレソニドレムデシビルファビピラビル血漿製剤ロピナビルとリトナビルの配合剤などが現在治験中です。この中で新型コロナウイルス髄膜炎に効果が期待できる薬剤はあるのでしょうか?シクレソニドは吸入薬ですので、中枢神経系への移行は期待できません。レムデシビルはデータが少なすぎて判断できません。ファビピラビルに関してはPMDAの審査報告書で確認しました。マウスの実験で高用量では神経系の異常を認めており、少なからず移行はするようです。人のデータは認められませんでした。今回髄膜炎は国内では初の症例です。国外では中国で髄膜炎ではありませんが、同じ中枢神経系の感染症として脳炎の症例が発表されています。

北京地壇病院は5日、新型コロナウイルスが中枢神経系を攻撃することを初めて証明した。また世界初の新型肺炎の脳炎合併患者がこのほど退院したと発表した。羊城晩報が伝えた。新型肺炎の重篤患者で、脳炎を合併していた許さん(56)がこのほど、首都医科大学付属北京地壇病院で完治し、退院した。北京地壇病院重症医学科、検査科、中国疾病予防・管理センター感染症研究所の共同作業チームは、採取された脳脊髄液のメタゲノミクス次世代シーケンシング及び感染症の病原体の鑑定においてその他の病原体を排除し、SARS-CoV-2ウイルスの遺伝子配列を取得した。

引用:人民網日本語版

この中国の症例の治療方針は明らかになり次第アップしたいと思います。髄膜炎や脳炎の診断については、腰から専用の注射針を刺し、脊髄液を採取して検査を行います。手技自体はそれほどむつかしくなく、私は研修医2か月目にはしてました。とにかく中国の症例は回復したようですので、山梨の症例も速やかな回復を願うばかりです。

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