新型コロナウイルス肺炎とその他の肺炎の鑑別に今出来ること。

新型コロナウイルス肺炎

新聞各紙や雑誌、専門家による新型コロナウイルス肺炎の症状や特徴の解説はよく見ますが、そもそも通常の細菌性肺炎との鑑別・区別って可能なんでしょうか?今現在の確定診断にはコロナウイルスのRNAを採取し、検体をPCRにかけて検査を行うといった手順が標準です。

PCRって何でしょう。Polymerase Chain Reaction(ポリメラーゼ連鎖反応)の頭文字をとった用語です。様々な教科書でPCRについての説明は記載していますので、割愛しますが、要は採取したRNAを増やす作業を指します。増やすためには酵素の力が必要です。その酵素の働きは温度の上昇と下降によってオンとオフが切り替わります。1回の温度の上下によって、1つのRNAが2つになり、2回目で4つ、3回目で8つと一つのRNAが倍々となっていきます(正確にはRNAは不安定な物質であるため、DNAに変換するような手順が必要になります。)。増やしたRNAは電気泳動(ゲルと呼ばれる寒天の中に電気を流して、その電気の力を利用して重さをはかります)をかけることで確認することが可能です。一連の手順は一旦固まってしまえば、一晩もかかりません。大変なのは試薬の準備と手順が固定です。現状何万人単位といった患者の検査を行うだけの試薬ができているのでしょうか?試薬を精製する企業はぜひフル回転で試薬制作にかかっていただきたい。

これまでも述べてきましたが、もう疑わしい患者全ての検体をPCRにかけて検査する時期は過ぎていると私は思っています。重症化している、もしくは重症化の可能性が高い患者さんに限って行うべきでしょう。重症化していない患者さんについては対症療法による自然回復が十分に期待できます。その時に必要なのは細菌性肺炎の鑑別ではないでしょうか?抗生剤の投与が必要な肺炎を経過観察の扱いにしてしまうと重症化してしまいます。そういった意味では、新型コロナウイルスよりも質が悪い。そんなときに有用な検査が、”プロカルシトニン”です。この検査は細菌感染とウイルス感染の鑑別を可能にします。また既に臨床でも利用されている検査ですので、各社検査会社も対応してくれます。

通常の風邪であれば2~3日で良くなります。4日以上続く発熱に関しては感冒だけではなく細菌性感染もしくは新型コロナウイルス感染の可能性が出てきます。そこで細菌感染だけでも否定出来れば対応が取りやすくなるのではないでしょうか?

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