新型コロナウイルス感染と熱中症の鑑別はどうするの?

新型コロナウイルス肺炎

暑い日が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?まだまだ新型ウイルス感染も油断ならない状況です。こんな猛暑の時期に外来で診察する頻度が増すのが「熱中症」です。新型コロナウイルス感染との区別はつくのでしょうか?どちらも体温が上昇しています。感染症は発熱、熱中症は外気のための高体温と原因は異なりますが、症状は同じです。学会から熱中症と新型コロナウイルス感染についての手引きがありますが、内容を見る限り役に立ちません。

新型コロナウイルス感染症流行下における熱中症対応の手引き
(熱中症診療に関するワーキンググループ:日本救急医学会・日本臨床救急医学会・日本感染症学会・日本呼吸器学会)
Q 熱中症と COVID-19 は臨床症状から鑑別できるか?
A 呼吸器症状や嗅覚障害・味覚障害を認める場合は COVID-19 を疑う根拠になるが、臨床症状のみから熱中症と COVID-19 を鑑別することは困難である。
Q 血液検査は熱中症と COVID-19 の鑑別に有用か?
A 両者の鑑別に有用な血液検査の検査項目はない。
Q 高体温、意識障害で熱中症を疑う患者の CT 検査は COVID-19 の鑑別診断に有用か?
A 確定診断のための有用性は低いが、除外診断に一定の役割を果たしうるため、とくにCOVID-19 を疑う患者においては、スクリーニング検査として実施することが望ましい。

手引きでは何も指南してくれていません。現場はどうするのでしょう?ガイドラインが役に立たない時こそ臨床医の腕の見せどころではあります。

1.高体温を訴える意識のある患者

のどの痛み、咳、痰、味覚障害などの有無を確認し、感染症と熱中症を鑑別するしかないでしょう。新型コロナウイルス感染症と熱中症のどちらが緊急性があるかと問われると、熱中症が緊急性があると答えます。ということで、鑑別が困難な場合には点滴による熱中症の対処が優先です。当然対処の間は新型コロナウイルス感染を前提とした感染予防が必要です。

2.高体温を認める意識障害のある患者

意識障害があると問診が不可能です。と、いうことは新型異なウイルス感染が前提となります。救急車を依頼すると受け入れ病院を探すのに時間がかかる可能性がある状況です。意識障害が脳の障害の可能性を否定するために頭部CTもしくはMRIが必要になります。検査の間に点滴を行いつつ体温の変化を観察します。点滴を行ったことで意識が戻れば1に戻ります。意識が戻らない場合にはいつまでも新型コロナウイルス感染は否定できません。もし診察を受けている病院が新型コロナウイルス感染に対応していなければ転院の選択肢が提示されるかもしれません。何にしてもPCR検査が必要になります。PCR検査ができるかどうかが自治体の保健所次第です。

いずれにせよ今この時期に熱中症になることは様々な要らぬリスクを負うことになります。どうか水分摂取を心掛け、エアコンをかけてください。熱中症と新型コロナウイルス感染の区別・鑑別は困難です。皆さん一人一人の熱中症に対する心掛けが医療崩壊を予防する手立てとなりえます。十分に気を付けてください。

関連記事

コメント

タイトルとURLをコピーしました