感染対策に日本版CDC?米国CDCの役割と権威、活動範囲は?

新型コロナウイルス肺炎

感染症の医療専門家らで組織する「STOP感染症2020戦略会議」(座長・賀来満夫東北医科薬科大学特任教授)が、政府への提言を明らかにした。大きな予算と人材をそろえ、米国の感染症対策の陣頭指揮をとるCDC(疾病対策センター)の“日本版”の創設や、病院内などにウイルスを持ち込むリスクを低減する「医療コンテナ」の導入などを盛り込んでいる。

米国のCDCは人員が1万数千人、年間予算8000億円を超え、情報収集、国民への説明、検疫作業まで幅広く行っている。これに対し、日本の国立感染症研究所は人員が約300人、予算が約80億円と大きな差がある。感染症危機管理の司令塔となり、人材や施設の充実したCDCを手本とした新組織の立ち上げを急ぐ。

引用:Nippon.com

日本版CDCの設立については異論はありません。日本は健康についてオールジャパンで何かを実施する体制がありません。今回の新型コロナウイルスの対策会議でも様々な大学や病院の権威を集めて対応しています。当然会議に参加していない専門家からも異論が出るでしょう。まとまりがつかないのは民主国家で、言論の自由が保障されている限り仕方のないことだとは思いますが、いちいち異なった専門家の意見に右往左往するしかない政治家はかわいそうだと思います。そういった点ではCDCのような機関が対策の立案から実行までを政府に提言できるようにならば混乱は少しは減るでしょう。

この記事で米国CDCと日本の国立感染症研究所が比較されていますが、人員・予算についてはミスリードです。米国CDCは感染症のコントロールだけをしている訳ではありません。健康にかかわる問題すべての疫学調査や統計も行い、そのうえで国民の健康維持のための提言を行っています。感染症コントロールオフィスは10を超えるオフィスの中の一つです。米国CDCには国立出生異常・発達障害センター、国立慢性疾患予防・健康増進センター、国立環境衛生センター、国立衛生統計センター、 国立ヒト免疫不全ウイルス(HIV)・性感染症(STD)・結核(TB)予防センター、 国立傷害予防管理センターなどといったオフィスがあり、高血圧や高脂血症などの生活習慣病に関しての疫学調査も行っています。日本ではそういった活動は各地の大学であったり病院が個々で行っており、なかなか日本全体でのデータにはなりにくい環境にあります。

日本版CDCを作るのであれば、感染症コントロールを目的として設立するのではなく、オールジャパンでできることをもっと増やせる環境を整えてください。中途半端な組織だと天下り団体の一つになり下がる可能性もあります。十分に議論をしていただきたいと思います。

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